日本の多くのリスナーに衝撃を与えたファーストアルバムSHAKE IT PARADISEに続いて出されたセカンドアルバム『GROOVIN’』は『SHAKE IT PARADISE』ほどインパクトや派手さはないもののよりブラックミュージックを前面に打ち出したFunkyなアルバムとなっています。 またこのアルバムからその後の活動を共にするマザーアースがバックバンドを担当していますが、キーボードは柿崎洋一郎氏ではなく杉山卓夫氏となっています。この頃のツアーでは柿崎氏と杉山氏の両方が参加しています。
GROOVIN’
曲紹介
1.PSYCHIC BEAT
2.北風と太陽
3.PLACE
4.RANDY CANDY
5.LADY SUICIDE
6.一途な夜、 無傷な朝
7.ダイヤモンドの犬たち
8.薄情LOVE MACHINE
9.永遠の翼
10.VISIONS
11.八番目の虹の色
『SHAKE IT PARADISE』と比べてこの『GROOVIN’』はより通好みの内容です。「PSYCHIC BEAT」「RANDY CANDY」「ダイヤモンドの犬たち」「薄情LOVE MACHINE」は今聴いても本当Funkyでバンド色が強いアルバムになっています。久保田さんのアルバムって打ち込みっぽいカチッとした感じのアルバムが多いですけどこのアルバムはバンドっぽい造りでひと味違っています。特に「薄情LOVE MACHINE」は当時アルバムに含めるには相当勇気が言ったのではないかと思われる楽曲です。今となっては「あぁ、ラップね」とか、「P-Funkじゃん」と分かってくれる人が多くなりましたが、当時は全く分からない人が多かったですからね。ブラックミュージックなんてものは認知されておらず、洋楽のひとくくりで考えられていたような時代ですから。私はこのアルバムで一番好きなのはこの「薄情LOVE MACHINE」ですね。最近のツアーで久しぶりにこの曲やったようですが、今でも全然古くないですね。
またこのアルバムの「北風と太陽」「永遠の翼」「VISIONS」はPOPSとしてもとても素晴らしい楽曲ですね。Funkyなのはちょっと、というかたでもこれらの楽曲は好きという方も多いのではないでしょうか。「VISIONS」と言う曲はアフリカテイストの曲で大学時代アフリカ音楽研究会というサークルに所属していた久保田利伸さんらしいとても楽しくなる曲です。
バラードである「PLACE」「一途な夜、 無傷な朝」「八番目の虹の色」も前作に含まれていたバラードと比べますと派手さはないもののしっかりと作り込まれた完成度の高い曲ばかりです。
こうして改めて聞き返してみると、この『GROOVIN’』はFunkyな冒険をした楽曲はあるものの全体として落ち着いた聞きやすいアルバムなのではないかと思います。
この頃のライブがKEEP ON DANCINGというDVDで見れますが、しっかりとしたダンスで歌っていますね。あれだけ動いて声が乱れないのに感心した記憶があります。プロだから当然ですかね。