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2014年6月18日参議院本会議で18歳未満の子どものわいせつな写真や映像などいわゆる「児童ポルノ」の単純所持を禁じる改正児童ポルノ禁止法が、賛成多数により可決、成立したようです。6月5日に衆議院本会議で可決された際、日本雑誌協会と日本書籍出版協会は児童ポルノの定義が曖昧であるので、どのようにでも解釈される可能性があると指摘し、「児童保護という本来の目的を逸脱し、表現規制に繋がる危険性をはらんでいる」と主張し、反対声明を出していました。

しかし今回の改正にあたっては、これまでの「衣服の全部又は一部を着けない児童の姿態であって性欲を興奮させ又は刺激するもの」などとしていた児童ポルノの定義に、「殊更に児童の性的な部位(性器等若しくはその周辺部、臀部又は胸部をいう。)が露出され又は強調されているもの」といった内容が追加され対象範囲をより限定したようです。

さらに、適用上の注意としては「学術研究、文化芸術活動、報道等に関する国民の権利及び自由を不当に侵害しないように留意」するといった文言も加わっており、「児童を保護しその権利を擁護するとの本来の目的を逸脱して他の目的のためにこれを濫用するようなことがあってはならない」と明記されるようになりました。

これにより『児童ポルノ』に関するより明確な定義付けとなり、児童保護と言う本来の目的にかなうものとなり、かつ表現の自由も守られると良いのですが。。

 

 

今回の改正により児童ポルノを単に販売しただけではなく、単純に個人所持しているだけでも1年以下の懲役または100万円以下の罰金が科せられることになりますので、なかなか厳しい法律となりそうです。

もっとも、今回の改正法は2014年7月に施行される予定のようですが、猶予期間として施行から1年間は罰則を適用しない方針のようです。この1年の間に国民にこの児童ポルノに関する国の方針を認識していってほしいと言うことでしょうか???

この児童ポルノ禁止法の改正に反対する人たちに気持ちも分かります。児童ポルノの定義が曖昧で、アニメやCGなどは適用されないと言うことなので、本当に児童への性的虐待の抑制になるのだろうかと言う疑問もあります。本来『所持するだけで処罰を受けるのは、銃刀類・麻薬などのように、野放しにすれば国民の安全を脅かすものが原則である。』と述べる日本雑誌協会の主張ももっともです。例えば自分が、我が子の裸の写真をパソコンに保存していたらどうなるのでしょうか?もし逮捕されるとしたらなかなか厳しい法律だと思いますし、逮捕者続出になるのではないかとも思われます。

ただ、現在の児童への性的虐待やリベンジポルノなどの問題を考えると歯止めをかけるために今回のような改正を行って規制をかけざるを得ないと考えるのももっともなことのように思われます。法律と言うのは融通が効かないもので、融通を利かせると法律の抜け道を見つける人が現れ、結局問題の抑制にならず、逆に不自由だけが残るようになると言うのは児童ポルノだけにとどまらず、他の問題でも同様です。現状を考えると融通がきかない法律で自由が奪われるのは仕方のないことなのかも知れませんね。

交通規則でも皆がスピードを出して追い抜きをかけ事故が多く発生する場所ではたとえ見通しがよく、まっすぐな道路であっても、追い抜き禁止や速度の制限がなされたりするようになります。ドライバーは追い抜きする自由や速度を上げる自由を抑制されることになりますが、それによって交通事故の減少に役立つことになるかもしれません。

同様に現在の児童ポルノの関係した様々な問題を考えると表現の自由を多少制限することになっても児童を守らなければならないという考えからの規制なのでしょう。反対する人たちの主張も分かりますが、現状を考えれば無理もないと思います。

ただ、交通規則の場合、規制しても交通事故が減らない場合、ただ規制だけされ問題が解決しないことになります。自由が制限されるだけと言うことになるわけです。児童ポルノの問題も改正され取り締まりが厳しくなっても児童ポルノに関わる問題が減少しないならただ規制だけが厳しくなるだけで、反対者からの批判も強まることになるでしょう。児童ポルノに関わる問題が減少すると良いですけどね。ある程度の減少には繋がるでしょうが、なかなか難しいかもしれませんね。

結局何が問題なのかというと交通事故の場合、自由を誤用して、無理な追い越しをかけたり、スピードを出し過ぎたりする人がいるから事故が発生するのです。結果規制をしなくてはいけないのです。同じように児童ポルノに関する問題も児童ポルノを明確に定義しなくてはなりませんが、結局のところ個々が自由を乱用し、表現の自由をはき違えていることが問題なのではないでしょうか?児童の画像のどのようなものがよく、どのようなものが悪いのか人によって考え方や感覚は異なるのでここで論じるつもりはありませんが、児童ポルノに関係した問題が蔓延していてなんとかしないといけないのも事実です。結局やり過ぎてしまったのですよ。規制されて当然です。

ただ、『所持しているだけで』ということが実際に施行されるようになる時にどのようなことを意味するのか興味深い点ですね。間違っても犯罪者を見過ごし、単に愛する我が子の写真を所持しているだけの親が逮捕されると言うようなことにならないでいただきたいものです。

あくまでもこの改正法が「学術研究、文化芸術活動、報道等に関する国民の権利及び自由を不当に侵害しないように留意」するものであり「児童を保護しその権利を擁護するとの本来の目的を逸脱して他の目的のためにこれを濫用するようなことがあってはならない」ものであることを願います。

 

 

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