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三重県尾鷲市立宮之上小学校の中村佳栄先生が地震と津波から子供たちが自分で自分の命を守るため、子供の意識を高めるために「てんでんこのうた」という歌を作ったことが注目を集めていますね。紀伊半島はこれまでにも津波の被害を受けてきましたし、今後もかなりの確率で津波の被害を受けると予想されていますので、尾鷲市の子供たちの意識の中に、このような歌での防災意識を擦り込むことはとても良いことだと思います。

歌を聴きましたが、とても子供らしい、素朴な歌で、歌詞の中にしっかり、危険が生じた時に行うことが取り入れられています。

中村先生は避難訓練をしても危機意識を持たない子供たちにどうしたら意識を植え込むことが出来るかと考え、歌の好きな子供たちだったので、歌で意識を植え込もうとこの『てんでんこのうた』を作るために何度も東北被災地をおとずれたそうです。

歌われていることを要約すると、

『地震が来たら、まず頭を守り、揺れがとまるまでじっとしているように。

揺れがとまったらガラスや壁に気をつけて急いで逃げるように。

津波が来るので、遠くではなく高いところに逃げるように。

過信しないで出来る限り高いところに。

逃げて津波がこなくても100回空振りでも今度も逃げるように。

自分の命は自分で守るように。大人になっても忘れないように。』

3番までの歌ですが、必ず『てんでんこ』という言葉が繰り返されています。

この『てんでんこ』とは東北地方の言葉で、「各自」、「めいめい」「てんでんばらばら」を意味し、つまり津波などの災害が生じたら各自なりふり構わず逃げるように、自分の命は自分で守るようにという意味で、1990年ころから東北地方では防災標語として用いられ『津波てんでんこ』という歌も今回の尾鷲市の中村佳栄先生の作った『てんでんこのうた』以前に存在していて、東北では防災意識を高めるために用いられています。

三重県尾鷲市の中村佳栄先生の作った『てんでんこのうた』は三重県内外の教育現場で注目を集め、東北の宮城県東松島市で、津波の記録を刻んだ石碑の完成式が行われることになった時に、その式典で、「てんでんこの歌」を地元の子どもたちに歌ってもらおうという計画が持ち上がったようですが、地元の教育者たちや子供たちの気持ちは複雑で、結局、式典では『てんでんこのうた』は歌われなかったようですね。

確かにその気持ちもよくわかります。被災地はてんでんばらばらになってなんとか自分の命を長らえた人たちで構成されています。『てんでんこ』は辛い経験を思い起こす言葉です。

ある被災者は津波から逃げる際、大渋滞で、一方通行を逆走し、『交通違反』を犯して自分の命を長らえましたが、そのことが心の傷になっていると述べていました。

被災地の人々に今必要なのは防災意識を高めることよりも、慰めなのかもしれませんね。

今後災害が生じるかもしれない尾鷲市のような地域には東北の教訓を生かして子供の時から防災意識を高めてゆくことは重要なので、この『てんでんこのうた』がその為に役立つと良いですね。

もっとも、被災地の東北も今後またあのような津波が来ないという保証はありませんから防災意識を高めるために出来ることは何でも行ってゆけると良いですね。

災害が生じたとき、想定外のことは必ず生じるものです。

避難所や防潮堤は私たちの命を真に守るものとはならでしょう。

個々の意識の向上は被害を最小限にとどめる鍵ですね。

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